紙をめぐる話|コレクション No.15

ほのかな色の重なり
KAMIKADO

わずか3ミリの厚みのなかに生まれる
色のグラデーション。
「kamikado」は、海外でよく知られる
「mikado」というゲームのスティックを
紙でつくったプロダクト。
幾層にも重ねられた白い紙と
色紙からほんのりと浮き上がる色が美しく、
合紙された紙の強度にも驚かされます。

初出:PAPER'S No.46 2014 春号
※内容は初出時のまま掲載しています

デザイナーの話
エマニュエル・ムホーさん(建築家)

初めて東京に来たとき、まちの色に衝撃を受けました。とてもカラフルで、ものすごくエモショーショナルでした。ヨーロッパではまちにはあまり色がありませんが、東京では建物や看板などさまざまなものに色がついています。色が二次元ではなく、三次元にレイヤーされて浮いているように感じたんですね。その瞬間、東京に住むと決めました。それ以来、「色切/shikiri」と「レイヤー」をコンセプトに色そのものを使って空間を構成するデザインを展開しています。
「kamikado」は、ヨーロッパではよく知られている「mikado」という41本のスティックで遊ぶゲームをもとに、紙でスティックをつくったゲームです。NTラシャタントマーメイドと3種類の紙を混在させて重ねているので、色によって枚数も厚みも若干違います。使った色は、白を除いて全部で28色。見本帳をバラバラにして色ごとに分類し、さらに厚さによってまた分類して厚みと色数を検証した上で色を選んでいきました。空間デザインでも同じですが、色をきれいに見せるためには白がとても大事なので、青っぽくないやさしい白にこだわりました。「kamikado」は積層して合紙するのも、断裁するのも難しいので、ぎりぎりまで現場では試行錯誤でしたね。紙はこれまで使ったことがなかったのですが、たくさんの色数を選べるのは紙ならでは。日本にはたくさんの色紙のバリエーションがあり、質感によって色の存在感が違いますね。2013年から「エマニュエル・ムホー展/100色」、「kamikado」、そして今春世界各地のユニクロで展開したインスタレーションと紙を使ってみて、質感や色の重みがすごくよく、また軽いので、吊ったり、揺れさせたりと、軽く空気感のある工作ができる素材だなと思っています。
 
 

上・中:「エマニュエル・ムホー展/100色」
下:「ユニクロ銀座店/colorfulwind」
写真:株式会社ナカサアンドパートナーズ 志摩大輔