紙をめぐる話|紙の研究室 No.01

ステーショナリーペーパーのお作法

竹尾のミニサンプルでも一冊になっている、「ステーショナリーペーパー」とはいったいなんでしょうか?『PAPER’S』17号(2005年夏号)でレターヘッドの基本を教わった嘉瑞工房の髙岡昌生さんに、ふたたび、「ステーショナリー」の基本とその作法を教えていただきました。

初出:PAPER’S No.33 2009 秋号
※内容は初出時のまま掲載しています
 
 

ステーショナリーとは?
ステーショナリーとは、個人や会社が通信に使用するレターペーパーや封筒などを指します。品格と信用を重視し、相手方に好印象を与えるために吟味した上質な用紙—ステーショナリーペーパーを使います。製紙会社が品質を保証したウォーターマーク入りの用紙で、一般的に白、またはアイボリー、薄色のブルーなどがよく使われています。

「ボンド紙」の使われ方は?
ボンド紙とは上質な透かし入りの用紙で証券用紙として使われたものです。格式のある通信用紙が必要になると契約書や証文だけではなくビジネスにも使われるようになりました。文字も銅板に彫刻で手彫りされ、凹版印刷方式により印刷されます。使用された銅版は顧客本人に返却されるか、印刷所が保管証書を発行し金庫で厳重に管理されます。

「コットン含有率」は高いほうがいいの?
ステーショナリーペーパーにコットンや麻が含まれているのは、品格のある風合いと耐久性があるためです。コットン含有率が高いほうが、品質が高いと言えます。

厚さにはルールがあるのですか?
ルールはないのですが、もともとは厚みがあり風合いを感じさせられるものが選ばれました。郵便制度(特に航空郵便)が調ってくると重量により郵便料金が違ってきました。枚数が増えると料金がかさむので、タイプ用紙のような薄手のものが使われるようになりました。しかし、文字が透けて見えてしまうために、重量の軽さは変わらず、透けないで風合いがあるオニオンスキンの用紙も登場しました。

どんな手触りのものが使われますか?
ステーショナリーペーパーの銘称のあとに「レイド」「ヴェラム」「ウーブ」などの種類がみられます。これは、表面の質感の違い。レイドに四角い賽の目が入っているのは、昔、手漉きだった頃の名残です。ヴェラムは本来、仔牛の皮から作られたものですが、その風合いをまねて作られた紙です。ウーブは織り目という意味で製紙の時の金網の細かい網目を感じさせます。

 

ウォーターマークの種類について


ウォーターマークは製紙メーカーの社名、品名、材質などの透かしが入ったもの。これはメーカーによる品質保証の証。それ以外に、紋章や会社、団体のロゴなどを特漉きさせたものを「プライベート・ウォーターマーク」と呼びます。各国政府関係および団体、大企業、一流ホテルなどが最高級のステーショナリーペーパーとして使っているようです。

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スピカボンド                     ギルクレストボンド