紙をめぐる話|紙の研究室 No.20

紙はどこまで
無添加になれるか?

──オーガニックペーパーの試み


平滑にしたり、印刷適性を高めたり。
白くしたり、強度を上げたり。
通常、紙には様々な目的のために化学薬品が使用されています。
では、逆にそうした薬品をできるだけ加えないで
どこまで紙をつくれるのでしょうか。

初出:PAPER’S No.51 2015 冬号



 

「無添加の紙」という試み
2013年、抄紙工程で用いられる化学薬品を使わず木材のセルロース(繊維)だけで純粋な紙がつくれないか、という実験が行われ「無添加の紙」が試作されました。手漉きのような無骨な風合いのこの紙は、和紙の雰囲気を感じさせる紙らしい紙になったものの、薬剤を使わないが故に平滑性、仕上がりの波打ちなどの課題はまだまだ残っていました。

コンセプトを実現するために
それから約2年後、「無添加の紙」のことを知った「コスメキッチン」を運営する株式会社マッシュビューティーラボ副社長の小木充さんから「オーガニックペーパーとして製品化できないか」という問い合わせがありました。その依頼に応えるために製紙メーカーと打ち合わせを重ね、抄紙工程におけるプレス機の圧力の調整だけで、印刷できる平滑性を確保することを成功させました。

そして、オーガニックペーパーへ
そうしてできあがったオーガニックペーパー。小木さんも「私たちの取り扱うブランド同様、どこでどのようにつくられているのかというトレーサビリティも明確」と納得の仕上がりでした。この紙は今後、様々な場面で活用されていくようです。「コスメキッチンブランドのカタログ、インビテーション、ショップカードからパッケージまで使っていきたいので“コスキチ”と名付けました。 私たちだけでなく、化学物質を極力使用しないオーガニックという哲学に賛同してくれる人たちにも使ってもらいたいですね」。

「コスキチ」が使用されたコスメキッチンの発行する冊子『THE ORGANIC LIFE』の校正紙。