• 検索
紙をめぐる話|TAKEO PAPER SHOW “SUBTLE” 台湾展

TAKEO PAPER SHOW
“SUBTLE”

台湾展について
──────────台湾 雄獅美術 編集部部長 李 柏黎

初出:PAPER'S No.50 2015 秋号

竹尾ペーパーショウは歴史ある展覧会です。台湾の人々にとってはまだよく知られた展覧会ではないかも知れませんが、デザイン業界や製紙業界にとっては、既に伝説的な存在だと言っても過言ではありません。著名なデザイナーたちをはじめデザインを学ぶ学生たちは、TAKEO PAPER SHOW “SUBTLE”が初めて台湾で開催されるという情報が公開されるなり、迷わず「“SUBTLE”を見に行こう」と心に決めたはずです。

そんな期待感の高まりも一因となってか、台湾展の入場者数は東京展を上回ったそうです。想像以上の結果に竹尾関係者も驚かれたことでしょう。五日間という短い開催期間中、会場は紙とデザインを愛する人たちで溢れかえりました。作品を見たり、紙のサンプルを触ったり、サンプルを持ち帰る人たちの満足そうな顔が今でも印象に残っています。通常の展覧会は来場者の目を奪うことを目的にしているのに対し、“SUBTLE”は見る者の内在的な感性を喚起します。これほど繊細な展覧会は、ほとんどの台湾人にとって初めての体験でした。

電子メディアが発達している現在ではありますが、この展覧会を通して、紙を愛する、そして紙という素材を活用したいと思う人々が大勢いることを再確認しました。また弊社も、この展覧会を機に書籍『SUBTLE サトル| かすかな、ほんのわずかの』の中国語繁体字版を出版することができ、大変光栄に感じております。竹尾ペーパーショウが再び台湾で開催される日を心より願っています。

PAPER SHOW “SUBTLE” by TAKEO CO., LTD.
会期:2015年5月13日|水|--17日|日|
会場:華山1914文化創意產業園區 華山紅磚六合院 西1,西2
主催:株式会社竹尾
企画・構成:原 研哉┼日本デザインセンター
原デザイン研究所
www.takeopapershow.com