紙が発明され普及する以前から、人間は世界各地で文字などの記録の媒体として羊などの動物の皮をなめしてつかった[羊皮紙]や、植物の幹を薄く削ぎ、おし叩いて接着した[パピルス]などさまざまなものを利用してきました。 現在の紙の起源は、英語の「paper」の語源になっているパピルスと思われがちなのですが、パピルスは草の繊維そのものを縦横に並べただけなので、製法上厳密には「紙」とは呼べません。 現在、「紙」と呼ばれているものの製法は西暦105年、中国の蔡倫(さいりん)によって確立されました。当時の原料は樹皮、ほろ布、麻繊維、魚網などであったとされ、現在のように木材が主に使われるのはずいぶん先のことです。
日本には、西暦610年高句麗の僧 曇徴(どんちょう)によって正式に紙の製造方法が伝えられたとされています。当時、日本の紙の主な原料は麻ではなく楮(こうぞ)が使われ、これがのちに日本独自の「和紙」を生み出しました。こうしてつくられた紙は主に写経材料として使われ普及していき、より完成度が高まっていったと考えられています。
繊維をバラバラにほぐして漉き上げ、薄く平らにするという方法は今日でも基本的に変わっていません。
時代が進むにつれ量的・質的なニーズに応じて高品質な紙が大量生産されており、世界で年間約3億9,426万t(2007年)、日本では年間約3,127万t(2007年)の紙が生産されています。
こうして紙は、現在私たちの生活になくてはならない重要な存在となりました。近年では記録媒体のみに留まらず、より多くの幅広いニーズにこたえるべく、日々進化を続けており、これからもさらに多様な発展が期待されるメディアです。

