紙をめぐる話|コレクション No.02

ひとつの色の塊
“花と音楽を贈る
ギフトパッケージ”

表紙を開けるとふうわりと現れる赤、白、ピンクの花。
本の中にすっぽりと同じ色の花とCDが入っていて、
フォトフレームとしても使える
花の贈り方の新しい提案です。
マーメイドの優しい風合いと
深い色味が花の色としっくり合って
こっくりとした贅沢なパッケージになりました。

デザイナーの話
色部義昭さん(グラフィックデザイナー)

プリザーブドフラワーと音楽をギフトとして贈るためのフラワーベースと梱包箱のかたちを、ということで始まったので、当初は本にするつもりではなかったんです。でも考えていくうちに、花屋さんにないパッケージとして思いついたのが本という形状。普通は垂直方向に活けられている花を横から観賞しますが、束の厚みによって垂直に立てられるこのパッケージでは花を常に真上から鑑賞できます。形状の次に考えたのは色。花の色を魅力的に見せる方法を考えた結果、繊維自体に色がしみ込んでいる色紙を使って、全体をひとつの色の塊として見せる演出を思いつきました。先に花の種類が決まっていたのでコクがありながら花とのコントラストが適度にあるものということで、マーメイドを選択。マーメイドの美しい色は、花の色に対抗できる強さがあると同時に花との親しい関係がもてるんです。たぶん肌理の感じが合うんでしょうね。本のように見せるために小口が揃いすぎないようにするのに思いがけず苦労しました。上下はきれいな裁ち落としですが、小口は微妙な陰影が入るので裁ち落とし面よりも深みが出て、全体にコクが出るようになりました。今回は1色の塊ですが、いろいろな色の花と紙を用いて正面と小口がグラデーションで変化するような色のバリエーション展開も考案中です。

 

印刷・製本担当者の話
小林雅宜さん(三和印刷 営業部)

まず最初にお話をいただいてから、どうやって実現するのか試作の連続でした。色紙を使うか印刷するか、本文をくり抜いてどのように本らしさを残すか、表紙の合紙の仕方など試行錯誤しました。表紙はマーメイドのこうばい、赤、ナチュラル、本文はNTラシャのこうばい、べに、白。マーメイドのこうばいは350kgがないので、赤と白の本の厚みに合わせるために枚数を調整しています。全体的に本らしく小口が揃いすぎないようにするために、本文は4つ折りの折丁をアジロ綴じで手製本しました。ただし本のようにめくれてしまわないよう、2枚目からユポのタックシールを入れて、小口側が若干めくれるように緩く止めています。中央の抜きはビク型で1丁ずつ抜いていて、1冊で52丁(416ページ)になります。表紙は赤とナチュラルが9枚、斤量の違うこうばいは20枚合紙です。箔押しした表紙(白は透明箔、ピンクはピンク、赤は赤)、CDを入れる部分、フォトフレームを入れる部分、それらが見える部分の4層構造になっており、それぞれ一度合紙した紙を型抜きしてからさらに合紙するという方法をとりました。ぎりぎり1枚残す精度で背表紙の角にVカットをしていますが、これはマーメイドが品質の良い強い紙だからこそ実現できました。このパッケージには高精度な加工の技が詰まっています。デザイナーさんや加工の職人さんたちと思い入れを共有できる仕事をこれからも目指していきたいと思います。

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