紙をめぐる話|紙の研究室 No.03

機能紙をご存知?
─耐油紙(たいゆし)

機能紙とは、日常のあちこちで要求される機能を紙にもたせるために、高い技術を駆使して生まれた紙のこと。今回取り上げるのは、油を通しにくい機能を付与した「耐油紙」。コンビニエンスストアやファストフード店でフライドポテトやハンバーガーを包んだり工業部品の包装等にも使用されます。食品に使用されることが多いため、より安全で、より快適に使えるように開発が進められています。今回はそんな耐油紙の最新事情をご紹介します。

初出:PAPER’S No.34 2010 冬号
※内容は初出時のまま掲載しています

写真は、エンボス加工を施したNF耐油紙を袋状にし、 オイルをいれて性能を検証したものです。繊細なエンボス加工で薄くなった部分でも、きちんと油を止めることを確認。 そのうえ、はっとするほど魅力的で、意外な紙の表情が現れました。
†今回の使用紙は、通常品に特殊エンボスをかけたイメージサンプルです。


耐油紙のしくみ
 
薬品を塗布・内添する
 
基材となる紙に耐油性と通気性をもつ薬剤を塗工もしくは内添(原料に混ぜて抄紙)することで、油分の浸透を防ぎます。従来は耐油性と通気性を備えたフッ素系樹脂が主流でしたが、最近では環境に考慮した非フッ素系薬剤の開発が進んでいます。 今回の使用紙
NF耐油紙(別注品)

フッ素系薬剤を全く使用しない、環境に配慮した耐油紙です。 油分をある程度吸収しながら止めるうえに、 通気性も備えているので、 揚げ物や焼き菓子の包装などに適しています。

水蒸気
薬剤
基剤
耐油性 ○ 通気性 ◎

その他|油を通しにくい性質の紙
 
紙の上に層を形成したもの
 
 
高密度に仕上げたもの
 
基材となる紙の上に、フィルムや箔などでラミネートし、新たな層をつくった紙です。優れた耐油性とともに、通気遮断性が得られるため、工業部品の包装などに適しています。 パルプ繊維間の隙間を減らし、油分の浸透を遅らせます。パルプを極度に叩解したうえで抄紙後に強いスーパーカレンダー処理をかけて繊維間の隙間を潰しています。一般の紙に比べて高い耐油性をもつほか、透明性にも優れています。


フィルム
基紙

水蒸気
高密度の紙
例:ワックスペーパー 耐油性 ○ 通気性 × 例:グラシン紙 耐油性三角 通気性 △

 

お電話でのお問い合わせ:

株式会社竹尾 東京本店 第三営業本部 第5営業部 機能材担当
tel. 03-3292-3613(9:00-17:30/定休日:土日祝)

ウェブサイトからのお問い合わせ:

お問い合わせフォーム

当社では、当ウェブサイト(www.takeo.co.jp)を快適にご利用いただくため、また、当サイトがどのように活用されているかを当社で詳しく把握するためにCookieを使用しています。「同意する」ボタンを押していただくか、引き続き当サイトをご利用いただいた場合、上記の条件に同意いただいたものと見なします。Cookieの取り扱いについては、「個人情報の取り扱い」にも記載されていますのでご参照ください。