紙をめぐる話|紙の研究室 No.33
エリプラペーパーの |
これまで「エリプラペーパー」といえば、プラスチックの代替品としてナイフやフォークなどのカトラリーに使われることが多い紙でした。
しかし、プラスチックのような厚さ・硬さ・強さがありながら、 同時に紙ならではの加工のしやすさや精度もある「エリプラペーパー」には、まだまだ素材として大きな可能性が秘められていそうです。そこで今回は、架空の卵を包み込むパッケージを実験的に制作。正方形のキューブで、サイコロの展開図のように開くことができる仕様です。
バージンパルプ使用・蛍光染料不使用で食品に触れても安心。繊細なものを外部から守る頑丈さを備えているだけでなく、木箱と比べても抗カビ効果や処分のしやすさといった利点を持ちます。紙ならではのしなやかさとソリッドな精緻さが両立する新感覚の質感には、既存の高級パッケージのイメージを覆してしまうような未知のポテンシャルを感じます。
初出:PAPER'S No.67 2024 夏号