紙をめぐる話|手渡された365の空。

藤原 大からイルマ・ブームへ手渡された365の空。

自然や都市にある色を水彩絵具で紙片に写しとる
「カラーハンティング」をテーマにした展覧会が
21_21 DESIGN SIGHTで開催されました。
開催目前の5月、コラボレーション作品を制作中の
展覧会ディレクター 藤原大さんと
グラフィックデザイナー、イルマ・ブームさんに
お話をうかがいました。

初出:PAPER'S No.44 2013夏号
※内容は初出時のまま掲載しています。
藤原 大|Fujiwara Dai
カタチやマーケットデータから始まるクリエイションが多い中で、色からデザインを考えるために始めたのがカラーハンティングです。世界中から採取した数ある色の中でイルマさんに手渡したのは365日分の日本の空の色。人はみな空の下で物事を考え、気づかないうちにその光から影響を受けていますから、空の色を本にすることで日本を見つめ直せたらいいなと思ったんです。デザインについて僕からリクエストしたのは簡単なテーマのみ。色について独自の見識を持ち、本づくりのスペシャリストでもあるイルマさんなら、何も言わなくても面白いものに仕上げてくれるはずですから。
イルマ・ブーム|Irma Boom
藤原さんからもらったテーマは「ダイアリー」。彼が365日繰り返してきたカラーハンティングと同じような体験ができれば素敵だと思い、各ページに空の色のインデックスを付けるアイデアなどを考えました。 紙にNTラシャを選んだのは、色そのものをシンプルに見せるために最も適していると感じたからです。本とは人から人へ情報を運び、つなぐもの。どこにでもある本はウェブでも代わりになりますが、印象的なデザインをすれば本は広く世の中に伝わるマスメディアとなります。 自分の眼で見た風景を記録するという藤原さんのパーソナルな行為を、より多くの人々に楽しんでもらいたいですね。

「カラーハンティング展 色からはじめるデザイン」

2013年6月21日 |金| ―10月6日 |日|
主催:21_21 DESIGN SIGHT、
公益財団法人 三宅一生デザイン文化財団

※完成作品(空のいろ、日記帳)は同展に出品されました。
※展覧会は終了しました。