紙をめぐる話|紙の生まれる風景 No.04

三菱製紙 八戸工場
平判選別室

高度にオートメーション化され、人影もまばらな広い工場。
その中に、人が紙を選別する部屋がある。
この部屋に集められたごく一部の平判紙は、
専門スタッフの手と目によって
不備がないかどうか、丹念に見極められるのだ。
不良な紙が見つかった場合は、一枚ずつ的確に
手作業で束から抜き取られる。
あえて人を介在させるこの工程には
紙づくりへの、こまやかでひたむきな配慮が滲む。
スタッフの紙さばきは、目をみはるほど素早く、美しい。
その手にかかれば、どんなに厚い紙の束も
驚くほど柔軟に、なめらかに動く。
どれだけ捲ろうとも、高々と積まれた紙が
乱れたり、崩れ落ちたりすることはない。
高い品質を保ちながら大量の紙をつくりだす
壮大な生産システムを持つ工場の一端には、
熟練したスタッフの鮮やかな手技がある。

初出:PAPER'S No.35 2010 夏号
※内容は初出時のまま掲載しています

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