紙をめぐる話|紙の生まれる風景 No.12
竹尾湾岸物流センター  | 
	SFの世界に迷い込んでしまったような空間、
	あるいは最先端の人工頭脳を搭載した
	ハイテク・ロボットの体内のような場所というべきか。
	高々と屹立しているのは、
	紙を格納するための高層自動ラック。
	そこではおよそ9,000商品ものファインペーパーが、
	やがてくる受注のときを静かに待っていた。
	紙を運び出すのは、棚間を上下移動する
	ラックマスターと、STVと呼ばれる有軌道台車である。
	およそ2万棚の格納ラックから
	指定の紙を即座に見つけ出し、正確に仕分け、
	素早くピッキングステーションへ。
	そこから紙は注文主の手元に配送されていく。
	一日に取り扱われる紙の総量は、
	150トンを上回るという。
	そのすべてがコンピューターによって精密に管理され、
	物量も、スピードも、精度も、
	常に高いレベルに保たれる。
	「ファインペーパーの一大拠点にする」
	創立時に掲げたこの宣言のもと、
	物流センターは日々仕事を続けている。
初出:PAPER’S No.45 2013 冬号
※内容は初出時のまま掲載しています
