紙をめぐる話|紙の研究室 No.24

抜き加工の極限
──紙をどこまで緻密にカットできるか?

デジタル技術とファインペーパーの
掛け合わせから生まれる未知の現象をかたちにし、
紙の新しい可能性を探る試み「現象体」展。
「現象体 D:紙の細工」は、レーザーカットによる
紙の抜き加工の極限を検証した実験作品です。

レーザー光の照射で紙を抜くレーザーカットは、
カッティングプロッターや金型を使用する
抜き加工では難しい超微細な形を
正確にカットできる技術。
0.4mmの罫線からなる極細の格子が
間断なく連なった紙は、まるで空気が
形を成したかのような透明感を携えながら、
触れると指先に無数の豊かな触感が伝わります。

加工を担当した株式会社ロッカの馬場将実さんが
「細かさの限界に挑んだ」と話すこの細密な作品には、
既存の紙らしさが消えることによって
新たな紙の姿と未知の可能性が立ち現れていました。

初出:PAPER'S No.56 2018 春号
※内容は初出時のまま掲載しています

使用紙:OK ACカード 白 四六判 T目132kg
見本帖本店「現象体 無版×ファインペーパー」展
2017年8月4日|金|―9月29日|金|

ガルバノヘッド方式


レーザー光を稼働ミラーに反射させ、
ミラーの向きを細かく瞬時に変えて照射。
ヘッドを動かすXYプロッター方式の
約10倍の速度で加工できる。

ガルバノヘッド方式

レーザー光源

孔径:
0.2〜0.4mm

使用機種:FLEXI 800/Sei s.p.a(ガルバノヘッド方式)
制作協力:株式会社 ロッカ

図:日本デザインセンター 三澤デザイン研究室