紙をめぐる話|紙の生まれる風景 No.07

三菱製紙 八戸工場

自然は時に猛威をふるう。
そのことを身を以て感じたのが、東日本大震災だった。
青森県の海辺にたつこの工場も、津波の被害を受け
2ヶ月強の操業停止を余儀なくされた。
しかし、1日も早い復興を目指す社員たちの底力によって
着々と本来の姿を取り戻しつつある。
東北電力への電力供給開始を皮切りに、
生産能力の半分はすでに回復して
今年の11月にはフル生産が可能になる予定だそうだ。
紙づくりは、自然とつながることで成り立っている。
それが最新設備の工場を通して
生み出されるのだとしても、
紙を媒介として自然と人がつながっていくのだ。
自然と人が共生していくには、幾多の厳しさと
直面しなければならないこともあるけれども、
紙の生まれる風景とは、知恵と勇気と優しさをもって、
明日に向かうことでもあるのだ。

初出:PAPER'S No.38 2011 夏号
※内容は初出時のまま掲載しています